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イヤピがない不思議ちゃんイヤホンのお話「PT – 9Nuts」

先日、プロトとしてイヤーピースのないイヤホン「PT – 9Nuts」を作りました。
このイヤホンについてすこし詳しく説明してみようと思います。興味ある方はどうぞ

【形状など】

イヤーピースがないってどういうことだよ?と思うかもしれませんが、イヤーピースの部分まで筐体として作っているというのが実際のところです。

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写真は背面がブラック&エボニーの特注の「PT – 9Nuts」ですが、黒いドングリみたいな部分がイヤーピースの代わりに耳の凹み部分に入ります。
見た目長く見えるかもしれませんが、黒いところは本来イヤーピースの部分なので装着すれば普通のカナル型のイヤホンをつけている感じとかわりません。耳から出っ張ることもないと思います。

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イヤホン下部には圧をぬくための穴が開いています。装着しても密閉することがないこのイヤホンですが左右の耳の形で抜け方が変わってきたり、逆に密閉気味になったりするのでこういった穴をあけています。もちろんここにはフィルタをつけているので圧だけを抜いて音はあまり漏れないようにはしています。とはいえ、そもそも密閉するカナル型ではないので音は漏れますが(笑)

先端には通常の金網メッシュでななく布フィルタをつけています。これはこの形状にすることでドライバをギリギリまで耳穴の近くに配置しているので高域の一部が耳障りだったためです。背面には9-634と同じような布フィルタとマイクロ多孔質フィルタです。

【カナル型?インナーイヤー型?】

イヤーピースがないのはわかった。ではこれはカナル型なのか?インナーイヤー型なのか?どっちなの?と思うかもしれませんが、正確に言えばそのどちらにもなりえるし、どちらでもないです。

ぞのまま装着すればカナル型のように完全密閉するわけではないのですこしインナーイヤー型よりになります。とはいえ耳のくぼみの形状に筐体を作っているのでインナーイヤーよりもう少し密閉する感じです。アップル社のイヤホンの形状と同じような装着具合と思ってもらえばわかり易いかと思います。

また、コンプライ素材のようなテープをイヤホンに巻き付けることで密閉度合いをあげてカナル型に近づけることができます

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人によって耳のくぼみの形状は違うのでテープを巻き付ける位置は変わるでしょうし自由に変えてもらって結構ですが、私の場合はこれくらいの位置にテープをぐるっと巻き付けることでカナル型のように密閉します。
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ぐるっと巻いたあとは綺麗にカットしてもいいですし、上の写真のようにクロスしてもう少し密閉度合いをあげたり、2重にまいてさらに密閉したりなどはテープを工夫して自由に使えばどうにでもできるでしょう。

密閉気味にすると抜けていた低音がぐっと増します。いわゆるカナル型イヤホンに近いです。

【このイヤホンの醍醐味、コンセプト】

密閉しないならインナーイヤーでいいし、テープ巻いて密閉するなら最初からカナル型でいいじゃん!と思われるかもしれません。確かにそうです。でもこのイヤホンを作った意味、作りたかった理由は別にあります。

《ドライバの位置》

まず1つはドライバをギリギリまで近くに配置したかった。市販のイヤホンでもいくつか先端にドライバがあるものがありますよね。あれと同じです。距離があれば減衰する音もある。それをできる限り減らして耳へ届ける。実際には耳穴が曲がっているから鼓膜までストレートに届くことはない。けれど可能な限り近くに配置すれば音はどうなるのか?そういったことを試しかったのでこの形状にしたんです。そうするためには通常のイヤホン筐体のカナル部分が邪魔でした。細くてドライバなんて入らない。もっと小さなドライバなら入るけれど音がイマイチ。そういったことからこの形状にして先端までドライバ入るようにしました。

《ユルく、リラックスして聴くスタイル》

イヤーピースを耳に突っ込む、密閉すると何かしらストレスがかかる。外の音も聞こえなくなり音楽を聴くぞという環境になってしまう。それは音楽を聴くにはいいかもしれない。でももっと軽い気持ちで音楽を聞きたいときもある。外の音を完全に遮断したくない。
遮音性はカナル型ほどはないので音も漏れるから電車ではもちろん聞けないですが、職場の休憩時間だったり、外で休憩するときやカフェでのんびりするとき、家でテレビでも流しながら、コーヒー飲みながら本をひらいて… そんなユルい感じで聴きたいときにこのイヤホンを作りました。
イヤーピースで密閉しないのは想像している以上に楽です。感覚が軽い。気持ちも軽い。スウェットパンツにTシャツとかパジャマ来てるみたいに適当な感じですごく楽です。正直なところ、そういう環境で音楽を聴くとき私はもうカナル型にもどれないってくらい楽です。もうスーツきたくない(笑)短パン半袖でチルしたい。そんな感じ。

《インナーイヤーって大きくて耳に合わない》

インナーイヤーで軽い感じに音楽を聞くのは好きですが、あれ大きい。耳にあたって20分以上つけてると耳痛い。耳の小さな私にはあわないです。あれはいったいどこの国の人を基準に作っているんだ。日本人は小さいんだぞ! そんな私は自分で作るしかない。それが今回のイヤホン。痛くない。当たり前です、私の耳(イヤピでいうところのMサイズ))に合わせて作っているんだから。

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そんな感じでイヤピのないイヤホンについてすこし詳しく書いてみました。
実際に私は最近こればかり使っています。すごく楽です。また抜けもいい。中域が伸びる。スポンジテープは私は使わないで使用しています。密閉しなくても私の耳だとこの形状で低音も必要なレベルででている。
この形状で密閉しないとかインナーイヤーというキーワードがあると低音スカスカなんじゃない?って思うかもしれませんが、そんなことないです。もちろんテープ巻いてフィット感あげれば低音はもっとでますが、今のところ不足は感じません。それ以上に気持ちよさが勝るので別にいいかなという感じもあります。

人によってはインナーイヤー型そのものを音漏れするし通勤で使えないしというだけで低評価される場合もあります。そういう方にはこのイヤホンのコンセプトそのものが理解できないかもしれませんが、必要な人に必要なものがあればそれでいいと思う。私も通勤では使わない。でも家でつかったりする。家ならスピーカーでいいじゃん、ヘッドホンがあるじゃないか、と思われるでしょう。私の住む環境ではスピーカーで大きな音を出すのは夜などは厳しい。ヘッドホンはデカいしそこまで気合いいれたくない。ソファーでゴロゴロしながらコンパクトにユルく聞きたいときもある。そんなユルいイヤホン。もうハイレゾどころかスマホでYoutubeとかの音質の悪い音楽をこのイヤホンで聞く楽しみ方。そういう時もあるんすよね。というか最近そういうのばっかりになってきてしまった。

果てしてこれがどれくらいの人の耳に合うのか… もう少しテスト機を増やしてみようかなとも考えています。3個しかオーダー受けませんでしたからね。あとこの形状なら2DDもまた違ったドライバ配置や構造で作れるんじゃないかなとか思ったりしてます。もちろん形状が形状だけに多くの人に合うイヤホンではないのは理解してますが、こういったイヤホンもあっていいんじゃないかなと思っています。 この形状だと左右独立の無線だったらもっと楽だろうなぁ… 作りてぇ。そこらへんどうなっているのかさっぱりわからん。

 

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