試作機(PROTOTYPE) PT-5(5-634予定)を作って気づいたこと

新シリーズのための試作機(PROTOTYPE)PT-5(5-634予定)をある程度の数製作して少しの間使ってみました。

使ってみると改善点やらイマイチな部分、今後どうすればいいのか疑問に思う部分がたくさん出てくる。(音はココではあまり述べない)メモ代わりに記しておきます。

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【新シリーズの方向性】

●旧シリーズから新シリーズで1番変わることは「筐体」
1度作ってすぐに販売中止になったウッドシリーズへのリベンジという意味もあるが、フロントに金属、背面にウッドを使う組み合わせが個人的に1番好みである。ウッドは素材によって音がかなり変わる。これも楽しみの1つである。同じ木材でも加工する部分に寄って木目など表情が違う。また表面の処理によっては使っていくうちに色味が変わったりケアする楽しみという愛着があるのも好きなところだ。万年筆なんかを使っている人などはそこら辺も少しは分かってくれるかと思う(笑)

●筐体を自分で加工するメリット
今までは筐体を少し変えるために業者に頼んでサンプルを作ってもらっていた。それには時間も資金も手間もかかる。特に意思の疎通が海外とでは難しい。ましてや中国語では。翻訳で行っても専門的なことは伝わりにくいものだ。それをすべてではなくても微調整できる程度に加工できれば考案から試行錯誤、完成までの流れが早くサイクルをどんどん回していける。ジックリ考えて慎重にやることよりも、こういったことは思ったことをすぐに実行し検証することを繰り返すことを何度もやることが1番早い。

アルミや銅や真鍮といった金属を均等に加工できるように金属加工できる機器を導入した。カナルの直径を0.5ミリ大きくすることも、ドライバ前部分の空間を少し広くとることもこれで簡単に行えるようになったのはかなり大きい。金属も一瞬で切断できる。
また、木材の加工も可能となった。複雑なものは業者にお願いするがシンプルなことは出来る。表面加工のための研磨グラインダーも入れたので仕上げの時間も短縮できる。

デメリットとして自分で加工すると「手間」と「時間」がこれまで以上にかかるが、そこはバランスをとってやれば問題ない。大量生産するわけでもないし、誰にでもできるようなことや業者に任せたほうがいいことは時間が勿体無いので外注するが、出来る限り手作りでやりたい。

●旧シリーズの音をシンプルに向上させたい
巷にある新製品の多くは、ドライバ数の追加や新技術や素材、構造など、目を引くモノを取り入れなければ売れないような悲しい流れになっているが、私は基本的に新しいことにチャレンジするまえに今のことを最大限どこまで出来るかということを第一に考えることを大切にしているので、基本に立ち返ってみたいと思う。ドライバの使い方、筐体の大きさやカナルの長さ、空間の大きさ、素材、制震、フィルタの使い方… などドライバを変えることなく改造やそれ以外で弄れることはたくさんある。こういったことで旧シリーズの音の傾向を引き継ぎつつ音の向上をはかりたい。ドライバを弄るだけでそこそこのチューニングも可能であるが、ダイナミック型はBAのような電子的なチューニングよりも筐体やドライバの固定、前後の使い方などの部分が音を構成する要素が大きい。(音作りの話はまた別の機会に深く書きたいと思います)

…新シリーズで目指したいのはぼんやりとですがこういった方向性です。

 

【試作機(PROTOTYPE) PT-5(5-634予定)】

・ドライバはチタン膜のダイナミック型
・筐体はフロントがアルミ、背面をウッド(今回は黒檀を使用)
・ケーブルは新しいものを採用。癖がつかない。ただし少し太く重い。プラグとケーブルの分岐・スライダーは黒檀です。

《筐体》

 

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筐体のアルミはカナル径4ミリ、ドライバからカナル先端までの距離を今までより短くするようにアルミを彫ってあります。

木材の部分は黒檀から加工。内部空間はかなり広いです。木材部分だけで15ミリあります。直径も15ミリ。木材のエッジはほんの少し丸みを帯びた感じ。ポートにはアルミのものが筐体の内部(ドライバの背面近くまで)伸びてます。

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上の木材部分の写真は、下が磨きのみ。上が蜜蝋とワックスでフィニッシュ。コーティングには色々テストしてみたが、ニスなどは使いたくないのと、肌に触れるのでなるべく自然で安全なものを使いたいので蜜蝋と少しの蜜蝋ワックスを使用。ケア用に蜜蝋を配布しています。少量を薄く延ばした後に乾拭きすると木材の艶が出てきます。

《ケーブル》

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癖がつきにくいのですが、今までのものより少しだけ太く、若干重いです。まだテストですが今のところコレを使っていく予定。 プラグ・分岐・スライダーは黒檀で作られています。今後はストレートプラグを使っていくと思います。ケーブル自体の反発力は今までよりも少なく柔らかいです。長さなどは今後微調整していくつもりです。タッチノイズなどよりもケーブルの癖のつきにくさを優先しました。 そもそも私が歩きながら使ったりもしないしタッチノイズで不便をしたことがあまりない。

 

【気づいた点(改善点も含めて)】

・ケーブルの重さと筐体の重さのバランス
筐体が木材とアルミだと軽い。フロントが真鍮だといいのだがアルミは軽すぎてケーブルとあわせるとバランスが悪い。筐体の重心を耳側にもってくれば多少は改善するのだろうか? 筐体からケーブルがでているブーツ部分の位置をもう少し耳側にしてみてもいいかもしれない。 今のままだと人によってはイヤホンが耳から外れ安いかもしれない。

・筐体の大きさ
筐体内部の空間を大きくとるために長さと直径が大きくなってしまったが、もう少し小さいほうが使いやすい。音とのバランスを考えてもう少し小さくしてみようかと思っている。

・R/Lの表記
イヤホンの右と左の表記はどうするか… 今は右の筐体の裏に凹がある。
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以前はブーツにR/Lの表記があったが小さくて見にくい。老眼だと厳しかっただろう。 今回は筐体自体に「刻印」「焼印」「印字」「赤いマーク」など試したがどれもしっくり来ない。そもそも黒檀が黒いから焼印や印字は見えないし、赤い印などはせっかくのシンプルで渋いルックスが台無しになる。そこら辺を考えて今は凹を作っているだけである。いい案があれば教えてください。

・ケーブルの長さ
基本は100から120センチくらいと思っているんですが、分岐からが長いんですよね。長いから余計にケーブルが重く感じる。もう少し短くするかな…?

・ケース

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ケースを3種用意した。レザーケース、四角いイヤホンケース、布ケース。
サンプルの数があまりなくレザーケースは最初の5名様だけに配布してあります。せっかくの木のイヤホンだからレザーや皮の渋いケースに入れたいというのが個人的な考えだけど、あまり凝ると高い。値段の負担にならない程度で作るには今のもの程度が限界でした。
今までの丸ケースだとケーブルをコンパクトにまとめなくてはならず癖もつきやすかった。もう少しケーブルをグルグルまとめるときに大きな輪を作ってまとめると癖もつかない。

・音をどう調整するか
低音をもっと出すか(代わりに何かが犠牲になる)、ボーカルの主張度合いが少し強いか、シャリやサ行が強いか、色が強く味付けされすぎているか…など他のラインナップもあるのでバランスをとりつつ考えなければならない。

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ひとまずはこんな感じです。モニターされる方は是非とも上記の点も含めてご協力いただけるとうれしいです。
課題が山盛りだ。道のりは遠い…

 

 

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