3DDへの挑戦 

ダイナミック3つ。いるかそんなの? …と思っていましたが、個人的に挑戦してみたいイヤホンであり構想を練って試行錯誤している最中であります。その話を少し。

【2DDからの延長】

2DDを今のところ2種製作しました。10-634はその最初の機種で、今はPT-DD2というテスト機をモニターしていただいて完成に近づけるべく色々とテストしています。
その製作のテスト過程でダイナミック型2つを1つのドライバにすることができました。これはイヤホンに組み込む前の段階でドライバだけを2つ組み合わせて1つのドライバとして音をだすということです。
10-634では筐体を合わせて初めてドライバを2つ実装できるのにたいして、テストで出来上がったものは2つで1つのドライバとして筐体なしで単体として作れたものです。これによってもう1つドライバを追加して2つで1つにした2DD+1DDが作れるというわけです。

【3つ必要か?または2つ必要か?】

ダイナミックドライバの複数搭載に関しては、メリットデメリットがあります。
メリットとしては1つでは補えなかった帯域をカバーすることができるということ。
ダイナミック型はバランスで成り立っています。例えば低域と高域を盛ったドンシャリに仕上げれば中域は下がります。どこかを強調すればどこかが下がる。あっちを立てればこっちが立たず。もちろんフラットにすることもできますが。
帯域だけではありません。たとえばより繊細でスッキリした音にすれば音の厚みはなくなります。逆に太く迫力のある音にすれば繊細さは失われます。
こういった部分を2つ使うことで補うことができるのです。1つは太く迫力のある音を、もう1つは細く明確な音をというように。

しかし、デメリットもあります。
2種類の音を使うことができる代わりに、2つのドライバから音が出るために音像が鈍る?というかやはり2つ存在する。ピッタリに合わせても厳密には絶対に違うと思う。どうやってもシングルのほうが「明確」であると感じます。
また、筐体が大きくなる。これはどうしようもない。特に3つとなればその大きさは… そこを今一番苦戦しているところです。
特に木材であるので、変なカタチには加工できません。例えばカスタムっぽい形にするとしましょう。旋盤を使えないし、木なので型取りからの複製もできませんし、3Dプリンタも使えません。手作業で左右同じように加工しなければならないのです。もちろん多軸のマシニングマシンなどを使えばできるかもしれませんが、個人なのでそういったものは無理です。使えるのは旋盤となります。そうするとロクロのように回すので円形のものしか作れない。この条件で3つのドライバを実装する筐体を作らなければなりません。カナル部は既存の金属筐体を使うとしてもそれ以外は作らないといけませんからね。

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こんな感じで試行錯誤しております。音に関してはある程度作れていますが筐体はいろいろテストしております。
昔、某メーカーで3DDというカスタムIEMがありまして、私の買ったイヤホン史上ワースト1といってもいい酷さでした。音も作りも。そんなのもあって「3DDでなんとか作りました」ではなく、ちゃんと3つで1つの納得いくイヤホンを作りたいんですよね。

おそらく最初はいつものように試作機として数人にモニターしてもらって、またテストをして完成にもっていこうかと思います。おそらくこれが今年最後の開発かなぁと思っております。
ちなみに、これが出来れば、1つをBAに置き換えたりとまた幅も広がってくると思いますし、その過程で色んなドライバをテストしていけばまたシングルダイナミックにもつなげていけるかと思っています。

 

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