ダイナミック3機のPT-3Dについて雑記(わかる人向け)

個人的には初めてのダイナミック3機のPT-3Dを製作しての感想。

【ドライバ構成とドライバの固定方法】

《ドライバの変更と組み込み方の変更》

ドライバ3つのうち1つを当初使うものから変更してます。それによって小型ドライバ2つ、小中型ドライバ1つの3つです。そしてこれを直接筐体に順番に(小さいほうから前になるように)配置し、それぞれ筐体の端4か所のみを固定し、その側面から後ろのドライバの音をだすということをしていたのですが、それも変更しました。

どれも小さなドライバなので樹脂製の薄いパイプに同じようにドライバを組み込んで縦長の円柱のような1つのドライバにしています。そしてそれを筐体に固定します。通常なら筐体に直接ドライバを固定していくのですが、それを辞めて一度パイプにドライバを組み込んで1つにした大きな理由があります。

《ドライバの固定方法》

ドライバが3つあり、音の輪郭にブレるような印象がありました。3つのドライバからそれぞれ音が出ているからドライバ1つより音像がボヤけるのは当然です。これが最後まで気になっていて、それを少しでも改善したくて今回のドライバの構成変更と組み込み方とともに通常と違う固定方法をとりました。

ドライバの固定には通常は筐体にドライバを直接固定します。つまり接着するのが一般的です。接着には直接筐体に接着剤のようなもので固定するものもあれば、両面テープ、少しでもドライバの振動を吸収するような厚手のスポンジ両面テープ、耐震ゴムリングなどいろいろあります。
ですが、筐体に直接ドライバを固定するとドライバの振動は少なからず筐体に伝わります。筐体も一緒に振動してしまいます。わかりますよね?

ダイナミックドライバはこの振動の抑制というのは音にかかわる大事な部分で、音が大きく変わったりはしないけれど、ブレると低音や音の輪郭などに影響してきます。とくに低音は力が伝わり切らない感じというか。

そこで筐体にまず10.5mmほどの真鍮パイプを取り付けます。そして円柱状のドライバの周りと筐体に接する前の部分にに衝撃吸収・防振用のウレタンスポンジをぐるっと1周貼り付けます。前の部分にはリング状にして貼り付けます。
このスポンジはコンプライイヤーピースのように潰してジワジワともとに戻るタイプなので、スポンジをペタッと潰してドライバとスポンジの直径を小さくした状態で先ほどの筐体に取り付けた真鍮パイプの中に押し込みます。そうすると真鍮パイプのなかでスポンジがジワジワと膨らんで元の形状に戻ろうとし、その中にあるドライバをガッツリ固定してくれます。これよにってドライバの振動が筐体に伝わらないし逃げない。おおよそこの部分で振動を抑え込むことができます。

この固定方法は、前にお客様から頂いたあるメーカーのイヤホンの構造を参考にしました。そのイヤホンのドライバも今回とは違う方法ですが、接着せず似たような素材で抑え込んでいました。ものすごくがブレずに音像がしっかり明確でした。分解したときは驚きでしたよ。

一度試してほしいのですが、イヤホンを指で押さえたまま耳に装着すると手を放して装着したときより低音が強く感じたり、良くなったように感じることってないですか? あれと似たようなことです。

ただし、この方法はドライバが小さいからできた方法であって、筐体ギリギリに実装するダイナミックドライバなどでは側面を同じ方法で抑え込むことはできないですね。 でも、この方法って小さなBAドライバなどではできないのかしら?意味ないんだろうか…詳しくないのでわかりませんが、今回の3Dに限ってはかなり大きな役割を果たしていると思います。

【音について】

試作段階ではもう少しダイナミック3つという感じの太いサウンドでしたが、上記の音像のブレなどが気になり、小型化し制振をしっかりすることで、だいぶスマートな音になったと思います。

測定では少し中域が下がって、中域から低域のあいだの帯域もすっきりしています。そのため空間が横に広くてモワモワはしないです。代わりに中域の厚みやソウル感というか歌い手の熱みたいなものはすこし薄いかと思います。

今回はドライバを3つ使いましたが、一番耳から離れた位置にあるドライバ3のみ少し音量がとりにくくなっています。いわゆる普通の他のイヤホンと同じ音量ではスッキリとしたアリがちなダイナミック型の帯域バランスですが、少し音量も小さめです。
ドライバ3をしっかり鳴らすためにはゲインを上げたりパワーのあるアンプを使ったりなどして音圧を少し上げるほうがお勧めです。そうするとドライバ3が明らかに振動版が大きく動いているのがわかるような音色になります。
もちろん、音量が上がればドライバ1とドライバ2も同じようにあがってしまいますが、今回はドライバ3を生かすために中高域のピークをかなり抑制しています。そのため音量を上げてもキツさや鋭さが苦にならないです。

【今後の課題】

今回は制作にかなり時間を費やしてしまいました。やはりドライバが3つあるだけで音圧を合わせたり左右を合わせるのにものすごく時間と細かな作業が必要になります。何度もチューニングをしなおしたりしました。
ダイナミックドライバは左右でドライバの位置が0.5mm違うだけでかなり音が変わります。それが3つ。左右で計6個あるので大変な作業です。もう同じものは作りたくないくらいですね。ドライバが手に入らないようなのでそもそも全く同じものは作れそうにないですが。

ですが、固定方法やドライバの組み込み方などかなり学ぶことが多く、応用してドライバの1つを大型にしてみるとか、BAにしてみることは可能かと思います。また、今回はドライバを3つ使うことを全体に製作したので無理やり3つ使いましたが、中高域に関しては専用のドライバを1つでもいい気がします。

さらに、固定方法のみをダイナミック1発のシングルに導入してもいいかもしれないと思っています。

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新しい気づきの多かったPT-3Dですが、今回のような特殊な構造こそ動画で解説したいという感じがしています。文字は読むの辛い。ってか読まん(笑)動画解説もヤルヤル詐欺でまたあまり手が付けれてないですが、必ずやりたいと思っているので興味ある人はあまり期待せずにお待ちください。
そろそろ暖かくなってきたので今度こそ試聴会もしたく、2D1BAが仕上がったあたりでやりたいなと思っております。

 

 

 

 

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